Orange girl Lemon boy ─後編─「これよりビアガーデンいよいよ開店でーす!」
アナウンスの高らかな掛け声と共に、ビアガーデンを開催してる屋上中に響き渡るような夏の定番ミュージックが流れ始め、いよいよここに「叔母のボーナス」「ひまわりちゃんズの貞操守死」をかけたビアガーデンバトルが始まった。
元々が社長と部長だかのお気に入りのビールの銘柄争いに端を発したこのバトルは、お互いのビアガーデンのビールを先に100本売り上げた方が勝ち!と、言う実に単純なルールで設定されていた。
要はさっさと売り尽くした方が勝ちなんである。
正直味がどうの、銘柄がどうのなどという以前に自分のとこのビールにいかに手をつけさせるか、の争いになることは間違いなく───
そうなると、当然その行く末を左右するのはなんと言っても───
「そこの可愛いおじょーちゃん!おじさん方にビールのチケット5枚くれるかな?」
「ハーイ!」
カウボーイハットの下からツインテールを揺らし、まだ幼く愛らしいひまわり色の笑顔で駆け寄るアヤのその姿は、浮世のしがらみ渡世のかん難辛苦を日々その身に背負ってる、いわゆるミドルエイジのおじ様方の心をいともたやすく鷲掴んでいた。
アヤがニコニコ笑いながらテーブルに近づくなり、おじ様方いっせいにチケット後回しで我先にとアヤ攻略開始。
「いやあ、可愛いな。お嬢ちゃんいくつ?」
「芦川さんの姪だって?さすがに将来が楽しみな美人さんだねぇ」
「お嬢ちゃんもここで一緒になんか食べないかい?何でも好きなものおごってあげるよ?」
「え?え?あ、あのあの・・・」
なんせ、普段自分の身近におじさん系統の人物がいないため、アヤはこういった時どう対処したらいいのかまるで未知の世界。
チケットを握り締めてどうすればいいのかわからないまま固まっていると、背後からスッとアヤを守るように長い両手が伸びてきた。その手はチケットを掴んでビリリとそれを切ると、そのままアヤをその手の中に庇う様に包み込む。アヤが目をパチクリとさせていると、頭上から芯の通った透き通るような宮原の声が聞こえてきた。
「はい。ビール5つですね。かしこまりました」
あまりに堂々としたその態度におじ様方が一瞬虚をつかれた隙に、宮原はチケットをテーブルに置くと、アヤの肩を掴んでその場から引き離す。
ちなみにさりげなくチケットを6枚分置いて───
「宮原くん・・・」
「アヤちゃん、よく聞いて」
「え?」
「今みたいに困ったな、と思う事あったら必ず俺を呼んで。目で俺に合図するだけでいいから。
そしたら俺、どこにいても必ず来るから。いい?必ずだよ?俺を呼ぶんだ」
少しビックリした顔でアヤが振り返るとそこには常に無い、宮原の真剣な瞳があった。
アヤは思わず胸がどきどきするのを感じたけれど、すぐに微笑むとコクンと大きく頷いて言った。
「うん。何かあったらすぐ、宮原くんを呼ぶね。約束する」
そう言った後、アヤはちょっと恥らいながら細い小指を差し出した。宮原は最初、キョトンとした表情でその白い小指を見ていたが、すぐにその意図するところを察するとそっとその小指に自分の小指を優しく絡めてきた。
「指きりげんまんね・・・」
アヤが頬をかすかに染めながらそう呟いた。宮原も嬉しそうに目を細める。
・・・・・などと言う、ラブロマンス映画の主題歌なら、ちょっと一昔前で大変すみませんが「小さな恋のメロディ」あたりが流れそうな勢いの宮原とアヤを、普段なら暗黒大魔王の勢いで邪魔にかかりたい美鶴であったが、こっちはこっちで悔しいながらそうも言っていられなかった。
なんせ、亘にかかる声の多さが半端じゃないのだ。
ビアガールは他にも居るというのに、わざわざ亘を指名して来る男女がひきもきならないのである。
そう、ようするにそのあまりの中性的な格好の可愛さゆえに、男女両方から声がかかっているのである。
亘はなんだか不思議そうにしながらも、一生懸命パタパタと仕事をこなそうと頑張って走り回っていたが、気が気じゃないのは美鶴である。
いつ何時、亘に目をつけた不届き者に不埒な事をされやしないかと、ハラハラのしっぱなしでいるのだ。
しかも美鶴も仮にもウェイターをしている為、自分の仕事もこなさなくてならない。
美鶴は美鶴で何せこの容姿だから、年上のお姉さま方のハートをがっちりゲットしてしまっており、亘に負けず劣らず御呼ばれされる声の数は多く、それを無視するわけにもいかないでいた。
目で必死に亘を追いながら亘に声をかけてくる、美鶴にとっては万死に値する人物たちに呪いの暗黒オーラを発するしかななかった。
「うーん、順調順調!この分なら予想より早く売上いきそうだわ。勝ちは目の前ね!あら・・・?」
そしてこのそれぞれの錯綜する思惑を知ってるんだか、しらばっくれて上手い事利用してるんだかの今回の最大の根源的要因立案者の叔母は、自分の主催する側のビアガーデンが破竹の勢いで売上を伸ばしているのを満面の笑みで見守っていたが、入り口から入ってきたある人物を見つけた途端眉をしかめた。
「げっ?取引先の上司じゃないの?何で?今日はウチの社員だけじゃなかったの?」
明らかに不快感をモロにした表情で叔母はその人物の様子を伺っていたが、社長が自らそれを出迎えて自分の方のビアガーデンに連れて来たとあっては、さすがに無視する事も出来ないと諦め、思い切り作り笑いを浮かべながらその人物に挨拶をした。
「いらっしやいませ。・・・・ようこそ。今日のイベントをご存知だったんですか?」
「社長からちょっと聞いていてね。それは楽しそうだから是非、誘って欲しいとお願いしておったのですよ。こういう機会でもないとなかなか貴女と飲むチャンスもないし」
初老に近いような白い顎鬚を蓄えた、その一見品が良く見えなくも無い目のやたら細い男はそういうと、さりげなく叔母の手を掴んで握ってきて手の甲をさする。
叔母はピキッと音が立つくらいこめかみに明らかに青筋を立てたが、グッと心の中で般若信教を唱えるとひきつった口元でかろうじて言った。
「どうぞこちらに。すぐにビールをお持ちします。大門様」
「ウェットティッシュ・・・ううん、そんなんじゃだめだわ!消毒消毒・・・!消毒薬ちょうだいっっ!!」
「どーしたんスか?」
ビアガーデンの一切を取り仕切る本部テントにいたカッちゃんは、救急箱を取り出しながら不思議そうに叔母に消毒用アルコールを渡す。叔母はそれをコットンに含ませ、握られた手の甲をゴシゴシやりながら、苦々しげに言った。
「スッゴクスッゴク!ものスッゴクキライで苦手な取引先の上司が来たのよっ!」
叔母の指差す方をカッちゃんは振り返ると、言われたその人物を見た。そしておや、という感じで目を瞬くと叔母に聞いてきた。
「あ、雑誌かなんかで見た事あるな。確か大手の水産会社の・・・?」
「あら、知ってた?うんそう!もう、とにかく立場を利用してこっちにセクハラまがいの事をしょっちゅうしてくるの。・・・・でも、なんせうちの会社の大手取引先だから、面と向かって言えなくて・・・社長のヤツ~!来る事あたしに黙ってたわねー・・・!」
「セクハラ?なんすかそれ?芦川の叔母さんに?!」
かなりの心配そうな声を上げたカッちゃんに、叔母は少し慌てて顔を上げると微笑んで言った。
「大丈夫大丈夫。いっつもうまくかわしてるから。そんなたいした事じゃないのよ。今もちょっと傍に座って酌しろって言われただけだし。サッサッといって終わらせてくるから」
大丈夫よ。再びそう言って微笑んだ叔母に、しかしカッちゃんは不安な面持ちを隠せない。
軽く息をついて立ち上がり、ビールを持ってその大門と呼ばれた上司の座るテーブルに向かった叔母の後姿を心配そうに見ていた。かすかに思案気に目を光らせながら。
「はあ・・・」
「亘どうした?」
「あ、美鶴・・・」
ピークを少し過ぎたらしく何とか一息つけそうだという事で、ビアガールやウェイターのメンバーにも一休みの時間が与えられていた。麦茶を飲みながらくつろいでいる時に、亘がかすかについたため息に少し遅れて休みに入ってきた美鶴が素早く反応する。
亘はかすかに顔を赤くすると、俯きながらポツリと言った。
「うん、いや、あのさ・・・やっぱこういうカッコしてるとホットパンツはいてても女の子に見えるのかな・・・ボク(イヤ、だから男の子がホットパンツ穿かないし)」
「どういう意味だ?」
「え・・うん、その・・ちょっと、・・・その、え、えっと・・なんてゆーか、た、たいしたことじゃないんだけど・・・」
「何?何だ?!」
モゴモゴと言いづらそうにしている亘に、美鶴は急激に嫌な予感を満載にすると、亘の肩を掴んで思わず揺さぶりながら問い掛けた。
「何だ?亘、はっきり言って?!」
その美鶴の思わぬ迫力に気圧された亘は、躊躇いがちながらも小さな小さな声で恥ずかしそうに目を逸らしながら、とうとう答えた。
「お、お尻・・・触られちゃったから・・・」
───ビキィィィィッッ!!!
おそらくその場にいた全員はその瞬間、美鶴の背後にどんな巨大な岩盤をも砕くであろう、強烈な破壊音が響き渡るのを聞いた。亘が真っ赤になって手足をパタパタさせながら慌てて言う。
「あ、えと。ほんのちょっとだよ?可愛いねって、言われてお尻をポン!て。それだけ!」
「・・・・・・どいつに・・・・・?」
「え・・・?えとえと・・・あの端のテーブルに座ってる若い男の人・・・さっきからボクに声かけてくるんだよね。いまもこの後、頼まれたおつまみ持って行かなきゃいけないんだけど・・・・」
美鶴はおどろ線をバックに背負い顔を俯けたまま、亘の手からチケットの半券を奪う。そして驚きながら目を丸くしている亘に無言のまま背を向けると、つまみの皿を持ってその人物のテーブルに向かった。
「お待たせしました」
「待ってましたー・・・って、あれ?何だよ?さっきの子じゃないのか?」
「今、ビアガールは交代で休憩に入ってますので」
「ふーん・・なら、休憩終わったらまたここ来るよう言ってくれよ。あのコ、男の子だろ?でも超可愛いよなー?さっき、お尻触ったら真っ赤になってンだぜ?最近のその辺の女の子よりよっぽどウブでいけてるもんな」
美鶴は無言のまま目を細めると、つまみのピザの皿をテーブルに置く。
そしてナイフを取り出すと静かに言った。
「出来たてで熱くて、まだ切っておりませんのでこのナイフをお使いください」
「あーわかったわかった。それよりちゃんとさっきの子にまたここ、来るよう言ってくれよ?」
そう言いながら、めんどくさそうにナイフを受け取ろうと、その男が片手を差し出した。その刹那。
───ダァァァァァンッッッ!!
その男の中指と薬指のまさにギリギリの間を通して、銀色に光るナイフがその切っ先を鋭く一直線に立てながら、ものの見事にテーブルに突き刺さっていた。
何が起きたのかわからず、男がその手の指をピーンと伸ばしたまま凝固して、額に氷のように冷たい汗をツゥー、と一筋流していると、それよりももっと恐ろしく冷たい声が耳に響いてきた。
「今度亘に手を出してみろ・・・」
男が恐る恐る顔を上げて、チラリと美鶴の方を見るとこれ以上ないくらい綺麗に微笑みながらも、人間これ以上ないくらい残酷で冷え切った表情になれるのだと言う、見本のような美鶴の瞳がそこにあった。美鶴はつきたてたナイフから手を離さないまま静かに告げる。
「・・・生きて帰れないぞ?」
ポツリと呟かれたその一言に男はいつのまにかどこかに消えた。
「いやあ、昼からビールと言うのも良い物ですな。特に美女のお酌だと進んで困る」
叔母はお愛想笑いも限界に達したのか、軽く頷くだけで傍目から見てもいいかげんとしかいえない酌の仕方と態度で件の上司、大門のコップにビールを注ぐ。大門はさりげなく叔母との距離を縮め、にじり寄りながら肩に手をかけてきた。
「わたしはジョッキよりもビンから注いで飲むビール派でしてね。どうですか。芦川さんも一杯」
「私はこのビアガーデンの主任としてまだ仕事が残ってますので」
「そんな硬いこと言わずに」
「遠慮いたします」
いらないって言ってるのよ!このエロ爺!と、大声で叫んでテーブルをちゃぶ台返ししたい衝動を、必死に押さえながら叔母は忍耐のお愛想笑いを浮かべた。
正直、相手にコークスクリューパンチでもかまして、いいかげんこの場から去ってしまいたいのだが、さっきから何度も申し訳なさそうに目配せしてくる社長の手前、その面子を潰す事も出来ずに耐えているのだ。
しかしいよいよここに至って、肩を抱くだけではなく膝の上に手など置かれて来て、叔母の堪忍袋の緒は切れ掛かるどころか、ブツンと盛大に音を立てて切れる寸前となっていた。
「ではどうです?・・・今日の夜からお付き合い頂く訳には・・・いい店を知ってるんですよ」
そう言ってその大門は膝の上の手を叔母の腰に回して来た。叔母の眉が逆三角に引きつる。もうこれ以上の忍耐は聖母マリアにお願いされても無理だった。大門を睨みながら怒鳴ろうと口を開く。
「・・・いいかげんにっ・・・!」
「おーっとーー!失礼っ、したーーー!」
バッシャァァァァン!
「わーーー?すいまっせん!やややや、た-いへーんだー!アルマーニのスーツがびしょ濡れすっね。さ、さ、どーぞどーぞこちらに。すーぐクリーニングに出しますから」
トレイの上に載せていたビールの大ジョッキ5つ分を、頭の上から大門に向かってものの見事に全てぶちまけたカッちゃんは、セリフを思い切り棒読みしながら全く慌てた風も無く、叔母から大門を引き剥がした。
「き、きみきみ・・・な、なんてことをっ・・・!」
「すいません。わざとじゃないっスよー!いやあ、まだ中坊のやった事に天下の大門水産の社長ともあろう方がそんなに腹を立てたりしませんよねぇ?
・・・・・聞くところによると相当な愛妻家で、大変奥さんを怖がられてる・・・おっと、違った。大事にされてるそうですモンねぇ?懐広いっスよねー?」
ニヤリと笑顔を浮かべながらカッちゃんは、自分のケータイを広げて大門の目の前に高々かざす。
そのケータイの画面には、腑抜けた顔で叔母の肩に手を置いている大門の姿がしっかりと写っている。
「いやぁ、こんな写真奥さん見たらどう言うかなーって、そんなこと、ね?・・・俺の友人の大事な叔母さんにこれからもちょっかいかける気だったら・・・少し考えますけどね」
最後のほうは一端の男の目つきになって、カッちゃんはキッパリと言った。
叔母は一連の出来事に目をパチパチさせていたが、ハッとするとカッちゃんを庇うようにその後ろに立ち、カッちゃんと同じくキッパリと言った。
「大門様。この非礼はお詫びします。けれど申し訳ありませんが、今後もお誘いはキッパリお断りします。・・・・ええ、はっきり申し上げますけど、今度先ほどのような事したら・・・」
叔母はニッコリ、大輪のひまわりの花の微笑を浮かべるとドスの聞いた声で言った。ついでに片手の親指を立て、それをすぐさま逆さまに下に向ける。(いわゆる地獄に落ちろ。ベイビー!のポーズ)
「・・・生きて帰れないわよ?」(どこかでも聞いたセリフです)
目だけ一切笑ずにいる為、空恐ろしいほどの迫力が立ち上る叔母のその一言に、取引先の上司はびしょ濡れのまま、ほうほうの態で去っていった。叔母とカッちゃんは顔を見合わせて笑った。
「芦川主任のビアガーデン、ビール100本突破しましたー!勝ち決定でーす!」
その時、カランカランカランと知らせの鐘の音も高く、ビアガーデンバトルの決着がついた報が響き渡った。叔母はその声に振り返ると、思わず傍にいたカッちゃんに抱きつき、大喜びで叫んだ。
「いやったーー!!これで今度のボーナスは間違いなし!皆で温泉行けるわよー!」
カッちゃんはいきなりの出来事に、顔を真っ赤にさせながら、それでも嬉しそうにガッツポーズをとった。
「・・・・・やっと終わったのか」
一方その後、背後霊のように亘の傍から離れようとしなかった美鶴は、つかれきった表情で息をついていた。あの後は亘に不埒な事をする輩は現れなかったものの、亘にかかる声の率は全然減る気配が無かった為、美鶴は結局最後まで心配心を解除する事は出来ずに、すっかり憔悴してしまったのだ。
───今後は何があってもどんな事態になろうとも、二度と叔母の企みにはまってたまるか!
そう悲壮な決意をすると、グッタリと傍にあった椅子に座り込んだ・・・のも、つかの間、そういえば
亘にかかりきりで、アヤの事を失念していたとバッと顔を上げる。
キョロキョロとアヤの姿を探せば、美鶴のいる場所からちょっと遠くに宮原と嬉しそうに喜び合ってるアヤの姿があった。その雰囲気からアヤがとんでもない目にはあわずに済んだのがわかり、、美鶴はホッと息をつきながらも、よくよく見るとアヤと宮原がさりげなく手を繋ぎあってるのに気づき、一気に脳内沸騰状態。
怒り心頭で駆け寄ろうと立ち上がると、最後の客にビールを運び終わった亘がすぐ傍に来ていた。
「終わったね。美鶴。お疲れ様」
まだビアガールの格好をしたまま、嬉しそうに微笑みながらそう言う亘に、美鶴も思わず毒気を抜かれ立ち止まってしまった。
亘はそのまま後ろに手を組んで、しばらく恥ずかしそうにモジモジしていたが、やっと顔を上げるとカウボーイハットを脱いで美鶴をジッと見つめて来た。そしてちょっと背伸びをすると・・・。
「えっとさ、心配してずっと一緒にいてくれてありがと・・・」
チュッ・・・・
パチクリ。
「え、えと。お礼の気持ち。そんだけ!」
真っ赤な顔で走り去った亘に、美鶴は恐ろしいくらい目を見開いての今度は驚愕脳内白紙状態。
アヤと宮原を引き裂くどころか、全ての後片付けが終わってもまだ動けず、信じられない事がこの身に起きました!運命の女神様!というように、いつまでも心をどこかに飛ばしたまま、一人その場に佇んでいる芦川美鶴さんがいたのでありました。
さてその後───ビアガーデンは終わったばかりだと言うのに、すっかりオレンジ色のひまわりちゃん3人組にメロメロになった叔母の会社の一部社員達が(主に男性社員)早速、あの3人を再び見る為にだけでも来年、またビアガーデンを開こう!などと言う話を密かに始めていたのを(ひまわりちゃんだけでなく、それに相当のやきもきをしたレモン色の少年達も、もちろん付属!と言うこちらは主に女性社員の意見と共に)すでに豪華温泉旅館に想いを馳せている叔母を始めとする彼等はまだ知る由も無い。
そしてそしてのさてさてその後。
無事大型ボーナスを手にした叔母とアヤと亘と宮原とカッちゃんとそして美鶴が───皆で喜び勇んで温泉にいって。
お約束通りひまわりちゃん3人組の、今度は温泉上がりのかすかに頬まで上気させた可愛らしすぎる浴衣姿を見て。
あっという間に中学生男子3人がその場にノックダウンされたのは、まあ───書くまでも無い話。
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