空と雲のあいだ
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2008/12/25 (Thu)
恋しこの夜
もっと早く出来てたのになぁ・・・。
や、何がって今回実はそれぞれのSSにあわせてMIDIを貼り付けて皆さまにお届けしたかったんですよ・・・。私のSSなんかよりそっちメインのつもりだったのに。
悪戦苦闘してリンク先ページに貼り付けるまでは出来たんですが、なぜか再生されない!!!!ああああ・・・ちくしょい!!これだから素人はなぁ。大涙。
悔しいので最初のSSに全て載せるつもりだった素材を貼り付けます(諦めが悪い)こっちなら再生されるのよ(涙
SSもそれにあわせてサブタイトルつけただけなので、あまり意味はありません・・・クリスマスらしい曲をとにかくチョイスしたんです(現代曲もやって見たかったんだけど著作権の問題でダメだった。←当たり前)
とにもかくにもいつも遊びにきてくださってる皆様に感謝を込めて。
よいクリスマスを迎えられますように!
※SS、続きどちらからでもEDにいける様書いたつもりなんですが、やっぱ両方読まんとスムーズじゃないかもしれません。実力不足ですまんですよう!涙
(ホーリーナイト)
恋しこの夜
きよしこのよる こいしこのよる ゆきふるよる
ふたりこのよる ともにこのよる
────いとしきみと
ケンカの原因なんてきっとささいなことだ。
───だってその原因をもう思い出せないんだから。
でも気がつけば、いつのまにか一週間以上口も聞かないお互いがいた。
学校でも廊下なんかを歩いてて遠くからお互いがわかった途端、顔をそむけてわざわざ避けあう自分たちがいた。
今日は聖なるクリスマスの当日。
朝から真っ白な雪が舞い、胸躍らせ過ぎて浮かれても、今日なら天使様だって多少大目に見てくれそうな、そんな───これ以上ないくらいのホワイトクリスマス。
そんな貴重な日に美鶴と亘がお互いの顔を見ないで過ごすなんて通常なら有り得ない事だった。
たかがケンカ。ただのケンカ。その筈なのに。
どちらかがただ一言「ごめん」───そう言えばすむだけの事なのに。
まるで頑固な冬将軍が今年の冬は何もかもを凍りつかせて固めてしまおう、と、ムキになったかのように、連日降り続く雪がまるで止む気配を見せない中、亘と美鶴は決してお互いの存在を近づけまいと意地を張っていた。
「・・・・・美鶴のバカッ!」
ボスンッ!
学校から帰るなり、亘はカバンをベッドの上に叩きつけるように放り投げる。
そして少しだけ肩で息をしながら、曇って真っ白になっている窓の方を向いた。そっと近づいて窓を手のひらで軽くこすると、水滴をたらした窓の向こうにまだ降り続いてる白い雪が見える。
「・・・・・・」
目線を下の方に向けると、マンションの駐車場の端に大きな雪だるまが見えた。
いきなり雪がどっかり降って、一晩であちこちを真っ白く埋め尽くした次の日に、嫌がる美鶴を無理に外に連れ出して、カッちゃんや宮原やアヤとみんなで作った雪だるまだ。
笑いながらみんなで雪まみれになって作った雪だるまだ。
最後のほうは美鶴も呆れたように、それでも嬉しそうに楽しそうに笑ってくれた。・・・・その日に作った雪だるまだった。
───まるでそれはつい昨日の事のよう。
「・・・・なんで、ケンカなんかしちゃったん、だろ?」
美鶴と亘がケンカをしてしまったのは、おそらくそれからすぐの事のはずだった。
雪だるまは降り続く雪にすっかり覆われてアヤが一生懸命おはじきやリボンで飾り立てたその顔をすっかり白く隠してしまっていた。
じわり。
思わず熱くなってきた目頭を亘は慌てて、ゴシゴシとやる。けれど一度ゆるくなった涙腺はどんどん緩んで涙の粒をコロコロ紡ぎだす。亘は両手で顔を覆って首をブンブン振った。
「・・・・・っ」
本となら───
本となら今頃、一緒になってクリスマスの準備をしているはずなのに。
プレゼントはいつ渡そうか。どんなケーキを作ろうか。────そんな楽しい会話を交わしながら、パーティの準備をしている筈だ。
アヤや叔母さんやカッちゃんや宮原や、途中仕事から帰ってきたお母さんも皆で。
───亘お兄ちゃん、・・・・・今年はパーティしない、の?
そうアヤが聞いてきても、亘は何も答えられず思わず顔を背けてしまった。あの時のアヤの寂しそうな悲しそうな顔が浮かぶ。
「バカッ!・・・美鶴のバカ!なんで・・・なんで」
───なんでなんでなんで・・・・・・・・・ボクのバカ!
もう原因も思い出せないようなそんなくだらない理由で。どうしてどうしてどうして。
・・・・・・・・ケンカなんかしちゃったんだろう。
ふと思い出せるのは。
その日、学校帰りの雪降る帰り道。
気がつけばなぜか困ったような戸惑ったような美鶴の顔が、舞い散る綿雪の合間、すぐ目の前にあって。そして何にだか覚えてないけれど、ものすごくビックリして心臓が飛び出しそうなほどドキドキした自分がいたことだけだ。
何かいいたそうにして、手をのばして来た美鶴に声をかけられる前に、逃げ出すように走り出してしまった自分がいたことだけだ。
何でそうなったのかは何度か思い出そうとしたけれど、なぜかもう思い出せない。
だから多分、ほんとにたいした理由じゃなかったのだと思う。
でもその次の日から。
明らかに亘を避け始めた美鶴がいて。
最初亘は昨日の事を誤ろうと思っていたのに、そのあからさまな美鶴の避け方があまりにもひどかったから、段々腹が立ってきてとうとう自分からも無視を始めてしまった。
でも。
でもでも。
「ちゃんと謝っておけばよかった・・・」
こんな想いをするくらいなら。
こんな悲しい気持ちになるくらいなら。
ついつい意地になって、日を過ごす内にあっという間にクリスマスの当日を迎えてしまった。
年に一度のクリスマスは始まったと思ったらいつもあっという間に終わる。
そのとても楽しくて大切な時を無為に過ごすくらいなら。
───美鶴とケンカしたまま終わってしまうくらいなら。
亘はカバンと一緒にベッドの上に放り投げてあったマフラーとジャケットを素早く掴むと、一度こくんと力強く頷いた。
そして部屋のドアを開け放したまま、駆け出して外に出た。
きよしこのよる こいしこのよる ゆきふるよる
ふたりこのよる ともにこのよる
───・・・・それは、だれと?
「・・・・・・・・」
美鶴はさっきから手の中にある、真っ赤なサテンのリボンのかけられた小さな包みを何度も上着のポケットから、出したりしまったりしては見詰めながらため息をついていた。
はあ。
包みをポケットに入れると美鶴は立ち止まって何度目かのため息を深々と吐き出した。
もう少し先まで歩けば、亘の居るマンションに着く。けれどその先の一歩を踏み出せずに、もうずいぶん長い事この場に立ち尽くしていた。
帽子もかぶっていない頭には雪が積もって、美鶴の薄い色の髪を真白に染めている。
「亘・・・」
しばらく呼ぶことの出来なかったその名を小さく口ずさむ。
まさか本人にその名を呼びかけられない日が来るなんて───ましてやそれがクリスマスという大切な日を迎えてまでなどとは思いもよらず・・・。
「俺が悪いんだよな・・・」
後悔を口にしてももう遅い。
亘のあの態度を見る限り、今までに無いくらい相当怒っているのは間違いないのだ。
そしてそうしてしまったのが自分自身であるという負い目が、美鶴をいつもより弱気にさせていた。
はあ。
「亘・・・」
呼びかけられるその名と共に、白い息が美鶴の口から淡雪のように舞い出でては消えていく。
「あ・・・・」
マンションから飛び出して、無我夢中で美鶴の家に行こうと走っていた亘は、角を曲がったところで道路の先の電柱の端の方に小さく誰かの姿を見つけて、足を止めた。
後姿の上舞い散る雪が邪魔をして、はっきりとは見えないけれど雪に濡れて淡く薄く光っているその髪の色には見覚えがあった。
───・・・美鶴?
まさかいきなり美鶴に会うなんて思わなくて亘は躊躇い、思わず顔を俯けてドキドキし始める胸を押さえる。
けれどすぐに大きく息を吸い込んで、勇気を出して声をかけようと俯いていた顔を上げた。
お好きな方へ飛んでください。
We Wish A Merry Christmas(亘編)
アメージング・グレイス(美鶴編)
(アメージング・グレイス)
(We Wish A Merry Christmas)
(初めてのクリスマス)
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