DVDのエピローグを朝っぱらからリピートしては泣いてますよ。泣きながらええい!くそぅ!意地でも幸せにしてやるぜ!ミツワタ!!(あれ?隠れは・・)に、なっちゃってますよ!DVDのおかげで書きたい話がてんこもり!私にしては珍しくいくつかの話を平行して書いてます。週末までにシリアス含め怒涛のようにUP予定。まずは時限小説その後。そしてこれが怒涛のデート編につながってきます。文中の美鶴が亘にした「あんなこと」は皆様のもうそ・・・想像にお任せします。
すんません。追記・・・この二人は高1です・・・
真夜中の恋詞~その後~
「美鶴の馬鹿ぁーっっ!!まぬけっ!寄るな!触るなっっ!あっちいけー!」
真っ赤な顔をして涙目になって思い切り枕を投げつける。その枕をナイスキャッチした
美鶴はさすがに悪ふざけが過ぎたかと亘に声をかけて落ち着かせようとした。
「落ち着けよ。ちょっと責任とれって言っただけだろ」
「・・・だけって・・・だけって・・!!だけじゃなかったじゃんかぁ!
・・あ、あ、あんなこと。あんなことっ!!(何をしたんだ。美鶴!)・・・ふざけるなぁーー!ばかぁっーー!!」
辺りにあったビデオを手当たり次第投げつけながらもう亘は半泣きになっている。
投げつけられた物をうまくかわしたり、キャッチしたりしながら美鶴は本当に困ってしまった。
まさか亘がここまで怒るとは思わなかった。どちらかというとじゃれあいの延長のつもりだったのだが亘にとってはそうではなかったらしい。(だからなにをしたんだ!美鶴さん!)
どちらかといえばその前にしてた事の方がよっぽど問題だと思うんだが。
いずれにせよこのままでは埒があかない。まだジタバタ暴れている亘にすきを見て接近すると美鶴は両の手を掴んで動きを封じ込め側のソファに押し倒す。
「ごめん。亘!悪かった。ごめん。謝るから落ち着いて!」
「やだやだっ!バカッ!離せ離せっ!」
いっこうにこちらの言う事に耳を貸そうとしない亘に美鶴も腹が立ってくる。
「いいかげんにしろっ!これ以上なきわめくなら、本とに最後までやるぞっっ!!」
・・・・・・・・・・・・・何を?・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サーーッと顔を青ざめさせて亘はピタッと暴れるのをやめる。そして次の瞬間。ポロポロ涙を流して本泣きしてしまった。
「・・・や、やだよ。・・・そ・・・ゆ、の・・やだ・・・ふぇ・・・」
まるで新婚初夜にこれから何が起きるかわからなくて戸惑う新妻を宥めるてるみたいだと(その考え方もどうかと)ポロポロ涙を流す亘をみて美鶴はため息を落す。
「亘・・・亘・・泣かないで。・・・俺をちゃんと見て・・・」
亘の顎にそっと手をやって自分の方を向かせながら美鶴は優しい声で囁く。
「・・・そんなことしない。・・・する訳ないだろ。だから・・・落ち着いて」
しゃくりあげながらそれでも大きく息を吸って落ち着こうとする亘を見て美鶴もホッと息をつきながら続ける。
「・・・ごめん。亘があんなに怒ると思わなかった。ほんとにごめん・・・もう、絶対あんな事しない・・・」
「・・・・ほんと?」
「約束する・・・」
放り投げてあったパジャマを拾い、亘を起して着せてやりながら美鶴は言った。
「・・・亘の嫌がることは絶対しないよ」
亘の頬に手を当てて優しく撫でながら美鶴は約束した。
「うん・・・・」
やっと落ち着いた亘を見て美鶴も脱ぎ捨ててあったパジャマを拾い上げ身に付けた。
そしてさっき亘が投げつけてあちこちにバラバラと転がっているビデオを手にして声をかける。
「どうする?これからなんか観るか?」
「ううん・・・もういいや。・・・またなんか変なの映ったらやだから・・・」
美鶴は苦笑した。
「じゃあ。もう寝るか?」
「・・・うん」
コクンとうなずく亘を見ながら美鶴はあることをフッと思いついて口にする。
「結局早寝するんだし・・・明日は亘の行きたいとこ付き合ってもいいよ。どっかいきたいとこあるか?」
亘がパッと顔を上げる。嬉しそうに目がキラキラしていた。
「ほんと?僕の行きたいとこでいいの?」
「ああ」
実を言うと亘と美鶴はあまり二人だけで出かけるということはしたことがなかった。
美鶴が人ごみが好きではないうえ、遊ぶより本を読んでいたいというタイプな為しぜん外に出るより
二人で家にいたりする事が多かったのだ。別に亘はそれでも不満はなかったのだけどたまには二人で外にも行きたいなと思っていた。
だから美鶴からこんなこと言うなんて初めてで余計嬉しくなってしまった。
「どこ行きたいんだ?」
「えっと・・・そうだなぁ・・・え、・・・と!」
せっかく美鶴が一緒に出かけようといってくれたんだから普段行けないところがいい。
どこか特別なところがいい。二人でうんと遊べるところがいい。
「動物園!!」
「・・・・は?・・・・」
「動物園!動物園がいい!遊園地もあるとこ!」
お前いくつだ、という言葉を美鶴は必死で飲み込んだ。動物園?どうぶつえん・・・?
てっきりゲームセンターとか・・・百歩譲ってもアミューズメントパークとか言う単語が出てくると思っていた美鶴は意表をつかれたその場所にとっさに返事が出来なかった。やっとのことで言葉を出す。
「いい、けど・・」
「ほんと?やったぁ!」
亘は子供のようにはしゃいでる。その姿を見ていたら美鶴も呆れていたのがだんだんまぁいいか、という気になってしまった。
「じゃあ、もう寝よう」
「うん!」
さっきまでの泣き顔はどこへやら。亘は張り切って布団を引き始めた。ふたりは美鶴が泊まりに来たときはリビングに布団を引いて寝る事にしていた。美鶴も自分の布団を引きながら、動物園なんて一体何年ぶりに行くんだろうと記憶を探っていた。
アヤが小さい頃、確か連れてってやったのが最後だからもう4、5年は前のはずだ。まさかこの年になってから行くはめになるとは思わなかった。
布団に横になって目を瞑って物思いにふけっていた美鶴の側にふと見ると亘が近づいて美鶴を覗き込んでいた。
「美鶴・・・」
「どうした・・?」
さっきまであんなに嬉しそうにしてたのに一転思いつめた顔をして自分を見ている亘に美鶴は起き上がり心配そうに声をかける。
亘は頭をフルフルと振ると少し頬を赤らめながら言った。
「さっきごめん・・・」
そしてさっと顔を上げると素早く美鶴のおでこにちょっと触れるだけのキスをした。
そして真っ赤な顔をして素早く布団にもぐりこむと布団の中から声をかける。
「ありがと・・・明日楽しみにしてる!」
美鶴は起き上がったまましばし動けず固まっていた。
・・・・早寝をするはずだったのが・・・間違いなく・・・間違いなく・・これから自分は寝不足になるであろうことを予測して。
そして夜が明ければ二人を待つのは初デート。
お相手はまるで子供で。
新婚新妻なみに自分を惑わす手ごわい相手。
寝不足の自分は太刀打ちできるのだろうか。
・・・・はなはだ不安な美鶴だった・・・・
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