すすすいません。やっぱり続いてしまったとです。書いてて楽しくてついつい・・・こんなもんかいてないでシリアス書けと言われたらどうしましょう・・・できるだけ早く続きUPしますのでお許しを・・・拍手レスも少しお待ちください。
キャンプに行こう!
「キャンプに行こうぜ!」
放課後、委員会の仕事で残っていた美鶴と宮原にカッちゃんは
いきなりこう言った。ちなみに亘は今日母と用事があるといって先に帰っている。
「いい場所があンだよ。今度の土、日でさ。自転車で2時間くらいのとこでさ。みんなで行こうぜ」
委員会で配布するプリントの作成をしていた美鶴たちは、例によってイベント好きの小村がまた何かはじめたのかと言った感じで聞き流している。
「目の前にでっかい川が流れててさ。近くには洞窟もあるらしいンだ。な?面白そうだろ!」こぶしを握り締めてカッちゃんは力説する。
美鶴がふっとため息を漏らす。
「悪いけど土、日はもう用事が入ってる」片手で頬杖をつき、プリントから目を離さず美鶴は言った。宮原もトントンとプリントをそろえながらつぶやく。
「キャンプかぁ。行きたいけどなぁ・・・2日も家を空けたら妹や弟の面倒、母さん一人じゃ大変だし・・・」
「なんだよ。二人とも付き合い悪ィなぁ」頬を膨らませながらカッちゃんは言った。
「お前は話が急すぎるんだ」相変わらず顔も上げずに美鶴は作業を続けながら言った。
「はーいはい。いいよいいよ。わかりました。俺と亘と二人でいってくるさ。」
両手を左右にふりながらのオーバーリアクションでカッちゃんはその場を去ろうとした。
ピタッ
美鶴の動きが止る。「待て」
「なンだよ」カッちゃんが振り向く。
「・・・亘も行くのか?」
「そうだよ。もともと二人でいこうって言ったんだけどアイツが宮原と芦川も誘おうッて言うからさ」
「それを先にいえ」美鶴が眼光鋭くカッちゃんを睨んだ。宮原の背中に悪寒が走る。
「行く」
「え?だって芦川用事あんだろ?」「誰がそんなこと言った」「いや、誰がって・・・ついさっき自分で・・・」
作成したプリントを持って宮原はそ~っとその場を離れようとした。これから自分に降りかかるであろう災難を出来れば回避したかったからだ。
「宮原」
遅かったか!!それより一足はやく美鶴の一声が飛んできた。まさに鶴の一声。いや、美鶴の一声。
「宮原も行くよな?」
「いや、俺はさっきも言ったように2日も家あけるのはちょっと・・・」
なるべく美鶴の顔を見ないように宮原は言った。弟よ、妹よ。兄ちゃんを守ってくれ。
「行くよな?」
カッちゃんと亘を二人きりにさせてなるものかパワーを充満させている美鶴に誰が
逆らえよう。
「はい・・・・」宮原は泣きながら頷いた。
「夕飯はカレー作ろう!あ、花火もやろうよ。エーと、そうだ!釣り道具はいらないかな?」
そんな攻防があったことを露知らない亘は嬉しくて仕方ないと言った感じでキャンプの計画を次々と話し始める。
ここは小村家。今日はキャンプに向けての打ち合わせをしに4人で集まっていた。
「後、懐中電灯もいるぜ。洞窟探検するんだかンな!」
「そんな子供っぽい事はお前一人でやれ」
キヤンプ自体にはまるで乗り気でない美鶴は明らかにめんどくさそうに言った。
「それよりもさ。子供だけで大丈夫なのか?大人がついてかなくていいの?」この中では一番の常識人である宮原が聞く。「平気平気。そういったキャンプ場とちがうただの川原だからな。だれにも文句はいわれないさ。それに俺なんか父ちゃんに、お前は
何時も店の手伝いばっかなんだからたまには子供同士でのんびりして来いって言われたぜ。」
なんかその表現もどうかと思うけど・・・・
「まぁとにかく無茶さえしなけりゃ大丈夫さ」
いや、このメンバーでキャンプに行く事自体がすでに思い切り無茶なんだと心で叫ぶ宮原であった。
「楽しみだね」ニコニコしながら亘は美鶴にこれ以上ないくらいの笑顔をむける。
「そうだな・・・」苦笑ながらも美鶴も答えた。
宮原は思った。願わくばその笑顔が続かん事を。
かくして波乱のキャンプは当日を迎えた。
幸運にも雲ひとつない空が広がり、自転車を疾駆させながら感じる風がとても心地よい。
目的地が近づくほど周りには緑が広がっていった。夏も終わりに近づいてるとはいえまだ木々は青々としていて、目に眩しい。
ひときわ高い木々が並ぶ道が現れた。まるでトンネルのようなその並木道を抜けると目の前に大きな川があらわれた。
「わぁっ!」
亘は自転車を降りると思わず川の側へかけていった。
「大きい川だなー!うわぁー!それにすごくきれいだぁ」
確かにそこから見る景色は最高だった。「な?いいとこだろ?」カッちゃんが胸を張る。
「うん。最高だよ」亘は大喜びでいった。
「この辺にテントはるかい?あんまり川に近くしたら危ないしな。」荷物を降ろしながら適当な場所を指して宮原が言う。
「そうだな。さっさと準備して遊ぼうぜ!」
テントを張り、夕飯の下準備を終えたところでカッちゃんが叫ぶ。
「よっしやー!洞窟探検行くぜっ」以前幽霊ビル探検をした時のヘッドライトを頭につけてやる気満々である。
「本とに行くの?」「あったりまえだろー!探検は男の使命だゼ」
「そんなのはお前だけだ」美鶴があきれながら言う。
「そんな子供っぽいっ事はお前一人でやれって言ってるだろ。俺は行かない」
「えー?美鶴いかないの?」みれば亘も大きな懐中電灯を手にしながらスタンバッている。
「・・・・・」
「・・・三谷。行くの?」
「え?宮原も行かないの?だってこれが目的のひとつだってカッちゃん言ってたからてっきりみんなで行くんだと思って・・・じゃぁ、僕とカッちゃんでちょっと行って・・・」
「俺も行く」美鶴即答。
「・・・・俺も行くよ」出がけに弟達にもらったお守りを握り締め宮原は言った・・・
川沿いをちょっと山の方に登ったところにその洞窟はあった。
「へえ・・・けっこう奥深そうな洞窟だな」「よしっいこうぜ!」意気揚揚とカッちゃんは洞窟の中に入っていった。亘たちもその後についていく。
入り口から遠ざかるほど光源が減り、暗くなっていく。ライトの明かりがなければもう足元さえよく見えない。
「なぁ。ところで具体的に探検って何するんだ?」「ナニ言ってんだ。探検は探検だろ」
「・・・・・・もしかして何も考えてないのか?」
「洞窟だぜ?そのうちなんか出てくるに決まってんじゃん!もしかしたらこの先に宝が埋められててさ、俺たちを行かせまいとするトラップがきっと次々あらわれて・・・」
「ある訳ないだろう!」堪忍袋の緒が切れた美鶴が叫ぶ。
「お前はゲームのやりすぎだ。」「美、美鶴危ないよ!落ち着いて」
激昂する美鶴を亘が止める。と、そのとき奥になにやらピカッと光るものが見えた。何かの目が光ったのだ。
「え?」
次の瞬間。バサバサバサーっとものすごい羽音のようなものが聞こえてそれは亘達の方にいっせいに飛んできた。
「わあっ!!」亘はびっくりしてライトを取り落とす。「な、なんだ!なんだぁ?」
カッちゃんがじたばたしながら側にいた亘に抱きつこうとした。
それを美鶴はすばやく宮原とスライドさせる。もともとこういう時のために連れてこられたといっても過言ではない宮原は泣くしかない。
「落ち着けよ。ただのコウモリだ。」片手にしっかり亘をかばいながら美鶴は叫んだ。
「コ・コウモリ?」「え?バ、バット、バットマン?」
しばらくするとコウモリたちは全て出て行ったらしく静寂が戻る。
「び、びっくりしたー。コウモリって血吸うんでしょ?怖かったぁ」まだ美鶴にしがみつきながら亘はいった。
「そんなコウモリは実際にはほとんどいない。」
亘の頭をなでながらやさしく美鶴は言った。宮原にはいまだにカッちゃんがしがみついている。
本とに泣きたくなって来た・・・
「おい」また少し進んだところで今度は先頭にたっていた美鶴がみんなを呼ぶ。
「行き止りだ」「あ、ほんとだ」
目の前に巨大な岩があり道をふさいでいた。「これじゃどうしようもないな。戻ろう」
「えーっ!帰るのかよ?」カッちゃんが文句を言う。
「これでどうしろっていうんだよ」
その巨大な岩を手で押しながら美鶴が言った瞬間。
バコッ
ものすごい音と共にその岩が外れた。
(え?)見ていた亘と宮原とカッちゃんは3人同時に頭が真っ白になる。
巨大な穴があいて外の明かりが差し込んだと同時にその穴から下に落下していく美鶴が見えた。
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